ハイエース インジェクター交換

200系のハイエースのアイドリング不調と白煙で入庫。

見た瞬間に原因はインジェクターだなって思いましたが、インジェクターは安い部品ではないため、確実にするためにデータを確認します。



こんなメチャクチャな数値の補正量の値はそうそう見れないくらい気筒差ありすぎですね。

確か補正量のマックスは±5.0mm3/stだったような気がしましたので、もう補正できませんよくらいの感じなので、原因はインジェクターで間違いなさそうなので、インジェクターなどの部品を注文して、作業開始します。



まずは運転席シートとシート下のフロアを外すことから。



ヘッドカバーさえ外れてしまえば、運転席シート外さなくても作業できなくはないのですが、ヘッドカバーを取り付ける時のことを考えると、万が一ヘッドカバーパッキンがズレたりしてオイル漏れが発生したら事件なので外します。

インパクトとエアラチェットがあれば、5分かからないでしょうから、その手間を惜しんであ゛〜とかう゛〜とか言いながら作業するのは効率的はありません。



ヘッドカバーを外すのに、デリバリーパイプを外します。

本来なら、デリバリーパイプの脱着はクーラントを抜き、EGRクーラーを外してから行いますが、クーラント抜くとエア抜きに時間がかかるし、できない作業ではないので、無駄なことはしません。

ただ、このような工具がないと厳しいです。

クローフットレンチです。



6角の方がトルクかけれていいですが、今回は12角の方が使い勝手がいいので12角のレンチを使用して、コモンレールからデリバリーパイプを外します。

5本ついてるパイプのうち真ん中はポンプからのものなので、外さなくてOKです。

外れたら、ヘッドカバーについてるシールをマイナスドライバーなどであおって外して、インジェクターのカプラーを抜いて、ボルトを外してヘッドカバーを外します。



ハイエースのヘッドカバー、上を通ってるハーネスが邪魔ですんなり外れないんですよね。

ミッション側を外せばびっくりするくらいに浮き上がるようですが、ヘッド裏のアース線とエンジンルームのカプラーを外してスペース作ればはずせます。







ここまでバラしたらやっと本題のインジェクター。







無事外れました。

インジェクターの先端にカーボンが付着してるので、ちゃんとした噴霧できなかったのでしょう。









新しいインジェクター(リビルトですが)を取り付けて、トルクレンチを使い規定トルクで締め付けます。

そのままいつもの手の感覚で締め付けても締め付けトルクが十分なら不具合出ることは少ないと思いますが、念のため。

リターンパイプのユニオンボルトもパッキンを新品に交換して、トルクレンチで規定トルクで締め付けます。



あとは、ヘッドカバーのパッキンを新品にして、逆の手順で組み付けて、燃料フィルターも交換します。









フィルターを新品と並べて記念撮影。

真っ黒ですね。

フィルターのケースの中もかなり汚れてるので洗浄して、元どおりに組み付けて、プライミングポンプを押してエア抜きします。







そして、エンジンかける前に必ずしなければいけない重要なことが待ってます。

インジェクターのID登録です。

昔ながらのディーゼルのインジェクターノズルはシムでスプリングを調整して噴射開始圧を揃えるくらいでしが、今はガソリンエンジンと同じような電子制御なんですよね。









診断機にパソコンのキーボード欲しくなりますよね(笑)



最近ROMチューン的なことをすることも減ったので、このID登録が16進数の数値と触れ合える数少ない機会です(笑)

FFは255みたいな感じで脳内変換されちゃうのんです。





エンジン始動し、振動も白煙もなくなり、診断機でデータを確認。





補正量の気筒間の差が少なくなり、絶好調になりました。





200系のハイエースで一般的になった(と思ってる)コモンレール式の電子制御ディーゼル、走行距離が増えてきて不具合が増えた頃、ディーラーやリビルト業者はインジェクターとコモンレールとポンプをセットで交換推奨って言ってて、よくわからずに素直にセットで交換してましたが、不具合がある車が増えて修理する機会が増えると仕組みがわかり、コモンレールって交換必要?とか、ECUの要求燃圧までちゃんと燃圧上がってるのにポンプ交換する必要ある?とか思うようになり、インジェクター交換だけでも直ることがほとんどなのがわかったので、ちゃんと説明して、ポンプとコモンレール交換するのが望ましいですが、どうしますか?って金額提示すると、9割はインジェクターだけ交換してみて下さいって言われるんですよね(笑)



こういう診断機を使用した登録を必要とした作業、DIY泣かせではありますが、整備業者としてはありがたいと思ってしまいます。

整備業者でも故障コート読み取りと消去くらいしかできな診断機だとできないので、作業できるスキルはあるのにお断りしてるってケースもあるようです。




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